この記事はペパーミントシュリンプの繁殖について2015年に投稿したものを再編集したものです。
ペパーミントシュリンプはスカンクシュリンプ やホワイトソックスなどに比べると派手な体色ではありませんが、サンゴ水槽などで厄介物であるカーリー(セイタカイソギンチャク)を退治してくれるありがたいエビです。
スカンクシュリンプ やホワイトソックスと同属のヒゲナガモエビ属に含まれ、前者と同じく雌雄同体のようです。
抱卵個体
同じ水槽に2匹以上で飼育していれば抱卵することは珍しくありません。
水温や環境によりますが抱卵してから10〜12日ほどで孵化することが多いです。
2015.9.2 孵化直後 日齢0日
孵化直後の幼生は羽のないトンボのような形をしていて体長は2ミリくらいです。
目測ですが一度の孵化で200匹以上の幼生が生まれてくるようです。
走光性があり光に集まってきますが、遊泳力は弱く水流に逆らって泳ぐことはできないようです。
暫くの間は浮遊生活を送り、微細なプランクトンを捕食して成長していくことになります。
2015.9.5 日齢3日
最初の変態を終えて目が発達しています。
摂食量が不十分だったり餌の栄養価が良くないと、絶命したり片目が発達しないなどの成長不良がおきるようです。
2015.9.18 日齢16日
細長いパドルのような付属肢ができています。
これにより遊泳力が増して、アルテミア幼生などの活きエサを積極的に追えるようになってきています。
2015.9.30 日齢28日
それまで確認できなかった腹部の付属肢が発達してきて更に遊泳力が増してきます。
2015.10.10 日齢38日
1ヶ月ほどの浮遊生活からようやく着底しました。
憶測ですが、見た目からしてまだ成体になったわけではなさそうです。
2015.11.4 日齢63日
順調なら誕生から2ヶ月経つまでには完全な成体となれるようです。
ここまでくればで通常水槽に移して一般的な配合飼料などを与えて飼育することができます。
振り返ってみて
当時、幼生育成で必要とされていた毎日の換水をする手間は循環濾過することで省くことができていましたが、欠かす事なく毎日数回の給餌や数日おきに育成槽内の清掃が必要な状況で、なかなか根気のいる作業でした。
特に大変だったのは活き餌の扱いです。例えばアルテミアの孵化は難しいことをするわけではないのですが、孵化準備をして孵化した幼生と卵殻を隔離してから給餌するというのを毎日決まった時間に行うというのは生活に制限ができるので結構大変でした。
ナンノクロロプシスの培養やワムシの管理も並行するとなお大変です。
2ヶ月間それをやり続けても幼生が着底せずに絶命してしまったこともありました。
本当は何が正解なのかわからず手探りの中、初めて幼生が着底し成体となったときは本当に感動ものでした。
現在は給餌方法を簡易化し、育成槽内の清掃も不要な設備にしてありますが生存率から考えるとまだまだ最適な方法ではないようです。
これからも試行錯誤しながら挑戦して随時、記事にしていきたいと思います。
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